Raspberry Piは小型で低コストながら様々なことに活用できるシングルボードコンピュータです。その中でも電子工作を行うためにはGPIOピンを使った接続が必要となります。
しかし、電子工作未経験者の方にとってはGPIOピンの設定や電子部品の接続など、初めての作業は敷居が高いかもしれません。
私は化学系出身なこともあり、電子工作は未経験者でした。しかもパソコン苦手。プログラミング経験もなし。
そんな私でも、これらの書籍で学んだおかげで(まだまだですが)電子工作が出来るようになりました。
そこで今回、初心者の私がRaspberry Piで電子工作をするときに使っている、おすすめ書籍を3冊ご紹介します。
ゼロからよくわかる! ラズベリー・パイで電子工作入門ガイド Raspberry Pi 4 Model B対応[改訂2版]
『ゼロからよくわかる!ラズベリー・パイで電子工作入門ガイド』はRaspberry Piの概要からセットアップ・OSの操作方法、Pythonでのプログラミング方法にはじまり、扇風機、お天気ボード、スマホで操作するロボットといった電子工作の作り方を学べる本です。
本書の1番の特徴は解説の丁寧さだと思います。
電子工作の配線手順ごとに写真・イラストを使って説明してくれているので、どこに何をつなげばいのかがわかりやすく、配線ミスしやすい初心者でも迷わず作業できます。
pythonコードの解説も丁寧で、1行ずつ何の命令をしているかが書いてあります。あと、初心者が間違えそうなところをあえて間違えさせて、なぜそうなったか?を解説し、どう書き直せばいいかを教えてくれているので、コードの内容をより深く理解できます。
また、電子工作の作例だけでなく、Raspberry Piを始めるための準備方法や、pythonプログラミングの基本から、じゃんけんゲームといった簡単なプログラムの作成方法なども丁寧に解説されており、タイトルのとおりゼロからよくわかる!内容になっています。
プログラミングも電子工作も初めての人にピッタリの1冊だと思います!
やさしくはじめるラズベリー・パイ 改訂2版[Raspberry Pi OS 対応] ~電子工作で簡易ロボット&ガジェットを作ろう
『やさしくはじめるラズベリー・パイ 改訂2版[Raspberry Pi OS 対応] ~電子工作で簡易ロボット&ガジェットを作ろう』はRaspberry Piのセットアップの仕方に始まり様々な電子部品(LEDやスイッチ、ボタンといった基本的なものから小型のグラフィックパネルや超音波センサー、人感センサーなど)の制御方法、最終的にはWebカメラを使った防犯ロボットといった作品の作り方を学べる書籍です。
特筆すべきは情報量の多さだと思います。作例はなんと20以上、ありとあらゆる電子部品の制御方法を学べます。
電子工作のみならず、ターミナルの使い方といったLinux関係の情報も豊富です。
Raspberry Pi picoの情報もあります。ピンの配置、セットアップ方法からプログラムの実行方法、ピコのデータをラズパイで受け取る方法まで、情報がぎゅっと詰まっています。
随所にTIPSがちりばめられており、何度も読み返して隅々まで読みたくなるような本です。
pythonコードに関して、超初心者の私には本書の解説だけではどんな処理をしているかわからない部分がありましたが、ネットで情報を補いながら進めれば大丈夫でした。
ある程度理解できるようになってから本書のコードを見返すと、自分で書いたら何行にもなりそうなコードが1、2行でまとまっていて、こんな風に書けるのかとpythonの勉強になりました。
オリジナル作品を作るようになってから、1番読み返している本です。わたしはLinux関係の知識が全くなかったので、電子工作以外の部分も非常に勉強になりました。
電子部品ごとの制御を学べる! Raspberry Pi 電子工作 実践講座 改訂第2版
『電子部品ごとの制御を学べる! Raspberry Pi 電子工作 実践講座』はRspberry Piで電子工作を始めるまでの準備方法からRaspberry Piの入出力についてや電子部品の原理・制御方法を学べる本です。
電子部品の原理についてフルカラーで見やすく図解してくれている点が一番の特徴だと思います。
LEDはどういう原理で光るのか、サーボモーターはどのような部品で構成されているのかなど、使用する電子部品の原理を初心者にもわかりやすく説明してくれています。
I2C、SPI、UART通信といったデジタル通信方式も図解があります。
また、書籍やネットで作例を見つけて「真似してつくりたい!」と思っても全く同じ電子部品が売っていなかったとき、電子部品に対する知識が少ない初心者にとって購入可能な類似品を選ぶことは困難です。『電子部品ごとの制御を学べる! Raspberry Pi 電子工作 実践講座』は、各電子部品の主要商品リストがあるので、初心者でも電子部品の選定をしやすいです。
例えば、使いたいサーボモーターが売り切れで別の似たスペックのサーボモーターを探したいとき、本書の主要商品リストに「製品名」「動作角度」「動作電圧」「トルク」「参考価格」が記載されているので代わりになりそうな商品を探しやすいです。
さいごに
今回は初心者がRaspberry Piで電子工作をするのにおすすめの本を3つ紹介しました。
どの書籍もおすすめですが
『ゼロからよくわかる!ラズベリー・パイで電子工作入門ガイド』はプログラミングも電子工作も初めてという方
『やさしくはじめるラズベリー・パイ 改訂2版[Raspberry Pi OS 対応] ~電子工作で簡易ロボット&ガジェットを作ろう』はとにかくいろいろな電子部品を動かせるようになりたい・作品の幅を広げたいという方
『電子部品ごとの制御を学べる! Raspberry Pi 電子工作 実践講座』は電子部品の原理を学びながらその制御方法も知りたいという方
におすすめです。
共通して言える注意事項として、Raspberry Piのセットアップ関係の情報( OSのバージョンやOSのインストール方法など)は書籍の出版時期によって現在のものとは異なることがあります。そこはインターネットで情報を補完すれば大丈夫かと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。